2007年~2008年にかけて東京大学生産技術研究所松浦研究室で情報セキュリティに関する活動を行いました。複数回通信可能なChaffing and Winnowingのテーブルによる可視化というテーマで
において行った発表を紹介します。
Chaffing and Winnowingは98年に発表された比較的新しい技術です。送りたいメッセージのほかにダミーとなるメッセージを同時にそれぞれAuthentication Codeを付与して送信します。受信者はあらかじめ認証鍵を持つことでAuthentication Codeによって正しいメッセージを見分けられるという仕組みです。特徴としてメッセージ自体は平文として送るため暗号化の必要がないことが挙げられます。
一つの認証鍵で複数回のChaffing and Winnowingの通信が理論上可能であることが、07年に示されました。今回の研究内容は実際に複数回通信が可能なChaffing and Winnowingの仕組みを考案し、プログラムとして作動せることです。
今回複数回通信を可能にする仕組みとしてメッセージとAuthentication Codeを対応させたテーブルを作成し、そこから認証鍵を得るというものです。対応する認証鍵が複数存在するため一度の盗聴では認証鍵を特定することができず、実際にはN個のメッセージ空間に対してN-1回のPerfect SecurityとNon Malleabilityを保証できます。
前期教養課程の全学自由ゼミナールの授業の一環として生産技術研究所において、学期間その研究室の一員として参加し学期末に研究発表を行うUROPというプログラムがあります。07年度冬学期に松浦研究室でChaffing and Winnowingに関するでも作成を行いました。
毎年5月に行われている生産技術研究所の生研公開で一般向けに作成したChaffing and Winnowingのプログラムの展示を行いました。4台のPCを用いてChaffing and Winnowingを持ちいた通信を行う二つのパソコンとその通信間で盗聴を試みるパソコンのデモンストレーションを行いました。来場者に実際に通信を行ってもらいChaffing and Winnowingの安全性を実感できるよう工夫しました。